電気料金を計算しよう!仕組みを知れば電気代を安くできる

  • 省エネ・節電のコツ

電気料金を自分で計算したことはありますか?電気料金の内訳を理解すれば、電気代を安くすることだって可能です。今回は電気料金の仕組みと計算方法を解説いたします。

電気料金を理解するには?

明細書(検針票)を確認しよう

皆さん、電気料金は何を見て確認していますか?口座から引き落とされた金額だけみて満足していませんか?電力会社から届く明細書を確認しましょう。

確認する方法は電力会社によって異なり、紙で明細書が届くご家庭やWEBで明細書を確認するご家庭があると思います。近年はペーパーレスの時代になりWEBで確認することの方が増えたかもしれません。WEBだと見に行くのが面倒で後回しにしてしまいがちですが、毎月どれくらい電気を使ったか知るには明細書を見るしかありません。まずは明細書を見ることから始めましょう。

用語を1行で解説

明細書を見ると金額以外に使用量や基本料金、燃料調整費や再生可能エネルギー発電促進賦課金などピンとこない内容も載っていますよね。それを簡単に解説いたします。

  • 供給地点特定番号:22桁の固有の数字で電気を使用している場所を管理するための番号
  • 契約種別:契約しているプラン
  • 電気料金:1ヶ月使用した電気の量を基に計算された金額
  • 使用量:1ヶ月使用した電気の量
  • 使用期間:1ヶ月の使用量を量った期間
  • 基本料金:毎月支払に載る一定の料金
  • 電力量料金:1~3段階に分かれ、電気を使った分上がる仕組み
  • 燃料調整費:電気を作るためにかかった費用で、エリアごとに毎月単価(±)の変動がある
  • 再生可能エネルギー発電促進賦課金:自然の力で作られた電気の買い取りにかかる費用を負担するためのもので、年に1度単価が経済産業省によって決められる

さて、用語は理解できたと思いますので電気料金の計算をしてみましょう。

今回は一般的な従量電灯プランに沿って解説しますので、契約種別を確かめてからご覧ください。

実際に計算してみよう

北海道・東北・東京・北陸・中部・九州電力の場合

こちらの電力会社は契約しているアンペアに応じて金額が異なる方式をとっています。

アンペアは10A・15A・20A・30A・40A・50A・60Aまであり、ご家庭によってアンペアが異なります。それでは実際の計算に使用する計算式をご紹介します。

電気料金=基本料金(アンペア)+電力量料金(3段料金)+その他(燃料調整費・再生エネ促進賦課金)

この計算式だけでいきなり計算してくださいというのは難しいので、例を挙げて説明します。

■東京電力の従量電灯Bの30Aを契約中で1ヶ月の使用量が350kWhの場合

※燃料調整費単価:-2.11円で、再生エネ促進賦課金単価:2.98円とする

(基本料金)30A:858円

(電力量料金)1段目:19.88円×120kWh=2385.60

2段目:26.48円×180kWh=4766.40

3段目:30.57円×50kWh=1528.50

8680.50円

(その他)燃料調整費単価:-2.11円×350kWh=-738.5

再生エネ促進賦課金単価:2.98円×350kWh=1043

304.5円

電気料金=(基本料金)858円+(電力量料金)8680.5円+(その他)304.5円=9,843円

いかがでしょうか。1つずつ計算すると簡単にできるということが分かっていただけたのではないでしょうか。

各単価は電力会社によって異なりますので、計算するときは契約中の電力会社HPより参照してくださいね。

関西・中国・四国・沖縄電力の場合

こちらの電力会社は前項とは異なりアンペアによる基本料金はありません。そのため早速ですが、計算式をご紹介します。

電気料金=最低料金+電力量料金(3段料金)+その他(燃料調整費・再生エネ促進賦課金)

こちらも計算式だけでは理解しにくいので、例を挙げて説明いたします。

■関西電力の従量電灯Aを契約中で1ヶ月の使用量が350kWhの場合

※燃料調整費単価:- 0.13円で、再生エネ促進賦課金単価:2.98円とする

最低料金:341.02円

(電力量料金)1段目:20.32円×105kWh=2133.6

2段目:25.8円×180kWh=4644

3段目:29.29円×50kWh=1464.5

8242.1円

(その他)燃料調整費単価:-0.13円×350kWh=-45.5

再生エネ促進賦課金単価:2.98円×350kWh=1043

997.5円

電気料金=(基本料金)341.02円+(電力量料金)8242.1円+(その他)997.5円=9,580円

使った分(kWh)にその他の金額を足すだけなので、分かりやすいですね。

今回は関西電力で計算しましたが、各単価は電力会社によって異なりますので、計算するときは契約中の電力会社HPより参照してください。

電気代に差がつくポイント

電気の使用量に注目

皆さん電気代に差がつくポイントって分かりますか?計算してみて分かった人も多いのではないでしょうか。ポイントは電力量料金です。2段目、3段目にいくほど単価が高くなっていましたよね?電力量の単価は1段階上がるごとに約5円変わります。使用量を300kWhで抑えられていれば高い単価で計算されることがなくなるということです。

しかし、300kWh超えるのが当たり前のご家庭もあると思います。3人以上で暮らしていれば超えるのが普通かもしれませんね。そういう時こそ新電力会社を検討するべきだと私は思います。新電力には350kWhまでが2段目に含まれたり、300kWh以上の単価が安かったり、様々なプランがあるからです。

もちろんその逆で電気をあまり使わない1人暮らし向けのプランもありますし、基本料金がないプランもあります。ご家庭で使っている電気の量を把握して電力会社を見直すことで電気料金は確実に安くなります。

アンペアを変更する

これは北海道・東北・東京・北陸・中部・九州電力限定になりますが、アンペアを下げることで電気料金は安くなります。つまり基本料金を変更して安くする手です。

方法は契約中の電力会社へ連絡してアンペアを変更したいと伝えるだけです。個人情報の確認や書面でのやり取りが必要な場合もありますが、簡単に変更することができます。とても簡単ですが、デメリットもあります。アンペアを下げると、ブレーカーが落ちる可能性が高くなります。例えば、今まではエアコンと電子レンジとドライヤーを同時に使用しても大丈夫だったけれど、アンペアを下げたらブレーカーが落ちてしまったなどです。

1度にかかる電力が契約アンペア以上になるとブレーカーは落ちてしまいます。アンペアを下げてからブレーカーが落ちやすくなったときは元に戻す方が良いでしょう。

 

今回は電気料金の計算方法から電気料金を安くするポイントまで解説いたしました。ご家庭に合ったやり方で電気料金を安くして有意義に過ごしましょう。