導入前に押さえておこう。太陽光発電を設置するまでの手順と流れ

  • 太陽光発電の基礎知識

太陽光発電は、設置を決めてから実際に導入するまでの間にさまざまな手続きが必要です。書類の不備や計画ミスなどが発生した場合、工期が大幅にずれてしまったり、追加の工事が必要になることもあります。余分なコストなどがかかるリスクも高くなるため、注意しなくてはいけません。太陽光発電の導入検討を始める際には、どのような流れで手続きが進んでいくのか、また各種申請にどのような書類が必要なのかなど、細かな手順をきちんと理解しておくことが大切でしょう。
というわけで今回は、これから太陽光発電を導入しようと考える方が押さえておくべき、設置までの手順と流れ、注意点を詳しく解説していきます。

太陽光発電を設置するまでの流れと手順

地球に優しい次世代エネルギーとして注目されている「太陽光発電」。今では日本でも多くの家庭が導入していますが、実際に設置をしようと思っても今日明日に導入できるというわけではありません。太陽光発電の導入は国のエネルギー事情にも関係するため、導入にあたっては設置工事以外にもさまざまな手続きが必要なのです。
では、実際に太陽光発電を設置する場合、どのような手順で進めていけば良いのでしょうか。手続きの流れやそれにかかる時間についても詳しく説明していきます。

1.設置計画をたて、シミュレーションする(2週間~1ヶ月)

太陽光発電というのは、すべての住宅の屋根に付けられるというわけではありません。屋根の形状や家の構造などによっては、残念ながら太陽光発電を設置することができない場合もあるのです。そのため、太陽光発電の設置を検討する場合には、まずは自宅の屋根に設置できるのか、設置できるとしたらどのくらいの規模になるのか、またそれによってどのくらいの発電量を得られるのか、売電収入はどのくらいになるのかなどを具体的にシミュレーションしていきましょう。
マイホームを建設または購入する場合にはハウスメーカーから教えてもらうこともできるでしょうし、太陽光発電を取り扱っている設置業者に直接相談してみるのもおすすめです。その場合には、屋根の形状や素材など、自宅の屋根についての細かな情報を伝えらえるようにしておきましょう。

2.販売店・施工業者へ見積を取る(1〜2週間)

どこに頼んで太陽光発電を設置してもらうのか、販売店や施工業者を決めるために見積もりを依頼しましょう。その際、1社だけで決めてしまうのは大変危険ですので、必ず2社以上から見積もりを取って検討することが大切です。見積もりを依頼すると、業者による現地調査が行われます。屋根の形状や屋根の方角、日射量、家の図面などをもとに、見積書の作成が行われるのが一般的です。業者によっては、どのくらいの発電量が得られるのかといったシミュレーションを出してくれるところもあります。

3.プランの確定と補助金の申請(1〜2週間)

業者から出された見積もりを元に、最終的に1社に絞りプランが確定したら、契約を結びます。太陽光発電を導入する場合には国や地方自治体から補助金をもらえる場合もあるため、その申請を行いましょう。手続きをスムーズに進めるためにも、補助金申請に必要な書類や申請の手順などはあらかじめ調べて準備しておくことをおすすめします。

4.経済産業省へ事業計画認定の申請(1〜3ヶ月)

設置した太陽光発電で作った電力を電力会社に買い取ってもらう際、「固定価格買取制度」を適用してもらうためには、経済産業省の「資源エネルギー庁」に事業契約認定の申請をする必要があります。事業契約を認定してもらうためには、電力会社との受給契約を締結することが前提となっていますが、申請時に契約が締結していなくても事業計画が認定されるまでに契約が完了していれば問題ありません。ちなみに、事業計画認定の申請にはさまざまな書類が必要になるため、事前にきちんと準備をしておくことが大切です。

5.太陽光システムの設置工事(1週間程度)

いよいよ住宅の屋根に太陽光発電システムを設置してもらうための工事です。太陽光パネルだけでなく、パワーコンディショナーなどの関連機器も同時に取り付けを行います。また、設置工事が完了した後は、取り付けた機器が正常に動くようにするため、電気配線の工事も行うのが一般的です。小規模の太陽光システムを導入する場合には、数日で工事が終了することもあります。

6.電力受給契約と系統連系確認(2週間〜数ヶ月)

太陽光発電はただ機器を設置しただけでは使うことはできません。電力会社との受給契約を結び、電柱をはじめとする電力会社の配線設備と接続することによって、電力を買い取ってもらったり、足りない分を供給してもらったりすることができます。
受給契約や系統連系確認は電力会社で技術的な検討が行われたのち、2週間から数ヶ月で結果が知らされるのが一般的です。

7.運転開始

太陽光発電システムの設置工事や、電力会社との手続きが完了したら、家主が立ち会いのもと業者による確認作業が行われます。設置した機器がすべて正常に作動していることがわかったら、正式に発電と売電が開始されます。

太陽光発電を設置する際には、事前に上記の内容を参考にして導入前にしっかりと計画を立てて進めましょう。