太陽光発電を設置するとどんなメリット・デメリットがある?

  • 太陽光発電の基礎知識

再生可能な次世代エネルギーとして注目されている「太陽光発電」。マイホームを建てたり購入したりするタイミングで、設置を検討される方も多いのではないでしょうか。とはいえ、いざ太陽光発電システムを設置するとなると200万円前後の費用が別途必要になるため、そのメリットやデメリットについて事前にしっかりと理解しておきたいものです。では、実際に太陽光発電システムを設置すると、どのようなことができるようになるのでしょうか。太陽光発電のメリットとデメリットについて、最近メディアで度々取り上げられている「太陽光発電の2019年問題」と併せて詳しく解説していきます。

太陽光発電とは?

太陽光発電のメリットやデメリットについて考える前に、「そもそも太陽光発電とは何か?」ということからお伝えしていきます。太陽光発電というのは、太陽の光を集めて、そのエネルギーを電力に変換する発電方式のことです。住宅の屋根やカーポートの上に鏡のようなパネルを取り付けているのを見たことがある方は多いのではないでしょうか。太陽光発電は電力を作り出す際に二酸化酸素を排出しないため、地球温暖化が問題になっている現代では、自然に優しい発電方法として注目されています。
太陽光発電によって電力を作り出すためには、太陽の光エネルギーを吸収して発電する「太陽電池モジュール(ソーラーパネル)」、発電した電気を集める「接続箱」、集めた電気を家庭用の電力に変換する「パワーコンディショナー」、家中に電気を送る「分電盤」といったさまざまな機器が必要です。

太陽光発電を設置するメリット

発電時に二酸化炭素を出さず、地球に優しい次世代エネルギーとして世界中で導入されている「太陽光発電」。実際にマイホームの屋根やカーポートに家庭用の太陽光発電を設置することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。詳しくご紹介します。

電気代を削減することができる

太陽光発電システムによって作り出した電力は家庭内で使用することができます。搭載する太陽光発電の容量やその月の天候などにもよりますが、電気の自家消費によって月々の電気代が0円になるケースも珍しくありません。

売電による収入が得られる可能性も

太陽光発電によって作り出した電力は自家消費するだけでなく、余った分を電力会社に売って副収入を得ることも可能です。例えば、太陽光発電を銀行の融資を利用して導入する場合には、電力を売って得た収入を返済に当てることもできます。

住居をZEH化することができる

ZEH(ゼッチ)とは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(Net Zero Energy House)の略で、空調や給湯、照明、換気などに使用する年間の一次消費エネルギー量の収支をゼロにする住宅のことです。住まいの断熱性や省エネ性を向上させて、太陽光発電を導入することによって実現できます。

太陽光発電を設置するデメリット

太陽光発電システムの導入には200万円前後の初期費用が必要で、一度設置をするとその後十年以上は使い続けるものです。設置を検討する場合には、そのことも踏まえて、デメリットの部分もきちんと理解しておきましょう。では、太陽光発電を設置することで考えられるデメリットについて紹介していきます。

発電量が天候・地域によって左右される

太陽光発電システムは太陽の光を集めて電力を作り出すため、日照時間が大きく影響します。天候や地域によっては発電量が左右されてしまうことも。

定期的なメンテナンスが必要になる

太陽光発電システムには、太陽光電池モジュールやパワーコンディショナーなどさまざまな機器が必要となりますが、効率的に発電をするためには、定期的なメンテナンスをしなくてはなりません。

設置できない屋根があったり、パワーコンディショナーの設置場所が別途必要になったりする

住宅の屋根の形状によっては、太陽光電池モジュールが設置できない場合もあります。また、パワーコンディショナーを設置するためにはある程度のスペースが必要なため、あらかじめ場所の確保をしなくてはいけません。

太陽光発電を設置する際に知っておきたい2019年問題とは

太陽光発電についていろいろと調べていると、「太陽光発電の2019年問題」という言葉を目にしたことがある方は多いのではないでしょうか。太陽光発電を設置している家庭の多くは、自家消費して余った分の電力を「売電」していると思いますが、その制度の前身である「余剰電力買取制度」がスタートしたのが2009年でその満了期間は10年のため、2019年は初めて「売電期間の終了」に該当する設置者が多く出るというわけです。
ただし、売電期間が終了してしまったからといって電力を買い取ってもらえなくなるかというと、そういうわけではありません。売電先の電力会社ごとに対応に差はありますが、低単価であっても余剰電力を売ることは可能なため、太陽光を設置する価値がなくなるというわけではないのです。

環境に優しい理想的なエネルギーとして注目されている「太陽光発電」。政府は2030年までに再生ネルギーの比率を22〜24%まで増やすことを目標に掲げていて、環境への負担が少ない太陽光発電は主力エネルギーとして位置づけられています。上記で紹介したように、太陽光発電は家庭で設置することでも多くのメリットがありますので、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。