電気の契約アンペア数はどう決める? 選び方のポイント

  • 省エネ・節電のコツ

あなたの家の電気の「契約アンペア数」は何アンペアに設定されていますか?契約アンペア数がわからない、という場合は、一度適切なアンペア数になっているかどうか確認してみた方がいいかもしれません。電気の契約アンペア数はどのようにして決めればいいのか、選び方や変え方のポイントについて解説します。

電気のアンペア数とは?

アンペア(電流)は電気の流れる量を表す単位です。他に電気を押し出す力を表すボルト(電圧)、消費される電気エネルギーを表すワット(電力)があります。

電力会社との契約においては、契約ごとにどれだけの量の電気が必要なのかを「契約アンペア数」として設定します。アンペア契約となる「従量電灯」プランでは、この契約アンペア数によって同時使用できる電気量が決まります。また契約アンペア数によって基本料金も変わります。契約アンペア数が大きいほど同時に使える電気量は増え、その代わりに基本料金は高くなるということです。同時に使える電気量のことを「アンペア容量」と呼びます。

ただし、関西電力・中国電力・四国電力・沖縄電力などエリアによってはアンペア契約による料金制度がない場合もあります。その場合は電気使用量に応じた契約となります。

契約アンペア数が適切でないとどうなる?

契約アンペア数が小さすぎると、家庭でいくつかの電化製品を同時に使った時にアンペア容量を超えてしまい、頻繁にアンペアブレーカーが落ちてしまいます。例えば毎朝、電子レンジで料理をしながらドライヤーを使うと必ずブレーカー落ちてしまう、というのでは不便です。同じ時間帯にいつもブレーカーが落ちるようなら、契約アンペア数が小さすぎるかもしれません。パソコンなどを使っている場合はいきなり電源が切れるので作成中のデータが破損してしまう場合もあります。

逆に、契約アンペア数が大きすぎるとブレーカーが落ちることはなくなりますが、基本料金を必要以上に支払っていることになります。アンペア容量に余裕があるという程度なら適正な契約アンペア数と言えますが、同時に使用する電化製品の数に対して過剰な容量が設定されている場合は、損をすることになるので注意しましょう。

電気の契約アンペア数の選び方のポイント

では、適切な契約アンペア数はどのようにして見きわめればいいのでしょうか。

まず、東京電力によると「従量電灯Bプラン」の一般家庭の平均契約アンペア数は30Aで、使用電力量は290kWhとされています。この場合の電気料金は月7,500円くらいになります。

一人暮らしの場合は20Aでも大丈夫という場合もありますが、エアコンなどの他に電子レンジやIHクッキングヒーターを使うなら30Aにした方が安心です。

家族が4人程度いて、エアコンを使う部屋が複数あり、IHクッキングヒーターなどを同時によく使うという場合は40Aにするべきでしょう。それでもまだブレーカーが落ちるという場合は50Aも選択肢に入ります。

また、同時に使う可能性のある電化製品のアンペア数を合計して契約アンペア数を決めるという方法もあります。所持している製品によって実際の数字は異なりますが、各電化製品の目安となるアンペア数を挙げてみます。

  • 照明 1A
  • エアコン 6.6A
  • テレビ 2A
  • 冷蔵庫 2.5A
  • 掃除機 10A
  • 洗濯機 3A
  • 電子レンジ 15A
  • IHジャー炊飯器 13A
  • 電気ケトル 11A
  • IHクッキングヒーター 14A
  • 電気カーペット 8A
  • アイロン 14A
  • ドライヤー 12A
  • デスクトップPC 1.5A
  • PCモニター 0.8A

例えば、エアコン、電子レンジ、ドライヤーを同時に使うと、

6.6A+15A+12A=33.6A

となり、簡単に30Aを超えてしまいます。他に、照明や冷蔵庫も常時使っているはずなので、40Aにしておいた方がいいということになります。ブレーカーを落としたくなければ、掃除機や電子レンジなど一時的に使用する電化製品を含めた、「同時に使うアンペア数の最大値」を想定しておく必要があります。

現在の契約アンペア数を確認する方法と変更する方法

現在の契約アンペア数を確認する最も簡単な方法は、ブレーカーのある分電盤を見るというものです。アンペアブレーカーを見れば、「40A」など契約アンペア数が書いてあります。

他には、電力会社が発行する「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」にも契約アンペア数が書いてあります。また、ポータルサイトでも確認できます。

契約アンペア数を変更したいときは、契約している電力会社に電話で依頼しましょう。「電気ご使用量のお知らせ」にカスタマーセンターの電話番号などが書いてあります。変更の申し込みは「お客様番号」が必要になることがあるので、手元に「電気ご使用量のお知らせ」や請求書を用意しておきましょう。

なお、アンペアブレーカーの取り替え工事は無料で行ってもらえます。ただし、一度契約アンペア数を変更すると1年間は再度変更できないので注意してください。

もしくは、電力会社のホームページから契約アンペア数変更の申し込みができる電力会社もあります。会員ページなどに登録している場合は簡単に申し込みができるはずです。
契約アンペア数について気になる人は、一度自分の家の最適なアンペア容量を確かめてみてください。電化製品を使うのに不便がなく、かつ経済的にも損をしない契約をすることが大切です。