余剰電力の市場連動型買い取りって?固定価格買い取りとどちらが良い?メリット・デメリットを徹底解説!

  • 太陽光発電の基礎知識

太陽光発電システムの卒FIT後、売電先を迷われている方も多いのではないでしょうか?

余剰電力の買い取りをしている企業には市場電動型と固定価格型があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。この記事でそれぞれの特徴などを詳しく説明するので、是非参考にしてみてください。

卒FITって?

余剰電力の買い取り方法を説明する前に、まずは卒FITについておさらいしましょう。

卒FITとは、FIT制度が満了することを指します。

 

FIT制度・・・再生可能エネルギーで発電した余剰電力を10年間国が定めた価格で、電力会社が買い取ること。

 

FIT中の価格はさまざまな要因を元に経済産業省が決定します。2023年度のFIT価格は下記の通り。

(引用:資源エネルギー庁

 

卒FIT後、売電先の変更を行わなかった場合、原則的には現在契約している旧一般電気事業者(旧一電)へそのまま売電することになります。しかし、売電価格が下がってしまうのが特徴で、新電力会社へ売電先を変更した方がお得になる傾向があります。

旧一電と新電力会社の比較についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

新電力会社もいろいろな特徴がある

旧一電よりも新電力への売電の方が買い取り価格は高い傾向にあることが分かったけれど、どの会社を選べばいいのか分からない、という方も多いのではないでしょうか。

 

各エリアの新電力の比較もこちらの記事で行っているため、気になる方はご覧ください。

固定価格買い取り・市場連動型買い取りって?

余剰電力の売電についておさらいできたところで、本題である固定買い取り・市場連動型買い取りについて説明いたします。

固定価格買い取り

余剰電力の買い取りを行っている多くの企業が「固定価格買い取り」の形態です。名前の通り、買い取り価格は変動せず一律となっているのが特徴で、新電力だけでなく旧一電もこの形態での買い取りとなります。

 

例えば、東京電力では「8.50円 / kWh(税込)」での買い取りを行っており、契約期間満了時までは買い取り価格の変動はありません。そのため、売電価格の計算がしやすいのが特徴の一つです。

市場連動型買い取りって?

近年登場し、話題になっている「市場連動型」の買い取り形態。固定価格買い取りと異なり、買い取り価格が随時変動しているのが特徴です。

この価格はJEPX(Japan Electric Power Exchange)の取引単価に連動しているため、市場連動型と呼ばれています。

 JEPX(Japan Electric Power Exchange)について

JEPXは2003年に設立された日本唯一の電気の取引ができる市場で、日本語では「日本卸電力取引所」となります。

発電事業者などが売りに出した電気を、小売事業者が買うという仕組みで成り立っていて、30分単位で電気の取引が行われています。売り手と買い手が入札する数量と値段で取引価格が決定されており、基本的には一般の消費者は参加できません。

実際どのような価格で取引されているかは、JEPXのウェブページから確認ができます。

それぞれのメリット・デメリット

2種がどういった特徴であるのかはわかっていただけたと思います。気になるメリット・デメリットはどのようなものがあるでしょうか。

固定価格買い取りのメリット

・売電価格の変動がない

変動がないということは安定した価格で売電を行うことができます。また、発電量を把握できている場合は、売電価格の計算もしやすいため家計管理が楽なのもメリットの一つです。

 

・比較がしやすい

固定価格を実施している企業はとても多いため、自分に合った企業を探すことができます。

新電力だけでなく、旧一電もこちらの形態で買い取りを行っているため、契約の変更手続きが面倒な場合は、旧一電でそのまま売電をされている方も多いです。更にキャンペーンを実施している企業も多く、お得に売電ができる場合も。

 固定価格買い取りのデメリット

・キャンペーン終了時の価格に注意

「キャンペーン終了後は価格が低下してしまう」という企業も正直多いです。

ただ、契約手数料や解約金などがかかる企業も少ないため、キャンペーン終了後は別の企業に売電することも可能です。日ごろからいろいろな企業のキャンペーンをチェックすると良いでしょう。

市場連動型買い取りのメリット

・市場価格によっては高く売れる

料金が変動しているため、固定価格で買い取りを行っている企業の料金より高く売れる場合も。特に電力がたくさん使われる夏と冬の買い取り価格は上がる傾向があります。

市場連動型買い取りのデメリット

・市場価格によっては安く買い取られる

上記で、夏・冬の買い取り価格は高い傾向にあると説明しましたが、気温が安定している春・秋は価格が低くなる場合もあります。そういった時期によっては、固定価格買い取り企業より売電価格が低くなったり、0円近くになったりする場合もあります。

 

・買い取り価格が変動するため計算しづらい

JEPXの取引単価は30分ごとに変化しており、基本的には市場連動型買い取り企業の価格も同じ単価が適用されています。

日にち・時間によって単価が変動するため売電価格の予測が立てづらくなります。

 

・手数料がある場合も

契約や解約には手数料がかからない場合がほとんどですが、買い取り価格の10%が取扱手数料として引かれる企業も多いです。契約書などをしっかり確認し、疑問に感じた際は問い合わせることが大切です。

 

・参入企業が少ないため比較しづらい

固定価格買い取り企業と異なり、市場連動型買い取りは、まだまだ参入企業が少ないのが現状です。そのため、比較できる企業が少なくなっています。

共通する特徴も

メリット・デメリットの他に、共通した特徴も多いです。

 

・基本的にウェブで申し込みできる

どちらの形態の企業も、ウェブで申し込み後、電話案内等があり、その後正式に契約を締結するという流れがほとんどです。

また、明細を郵送ではなくウェブ上のみで確認する企業も多いため、インターネット環境とメールアドレスを事前に準備しておくとスムーズな契約ができます。

 

・初期費用や契約料金などがない

初期費用・契約費用・解約費・違約金を取る企業は少ないです。

買い取り価格やキャンペーン等で差異を出しているため、気になる企業があるときはウェブページの確認や問い合わせをしてみると良いでしょう。

 

・申し込み~買い取りまでは約1か月かかる

申し込み~売電開始までは、1~2か月ほどかかる場合が多いです。そのため期間に余裕をもって申し込みを行うことをおすすめします。

電力の他にもある変動型・固定型

実は太陽光発電の売電以外でも、身の回りにある変動型・固定型のサービス。例えば住宅ローンが代表的。

住宅ローンを組んでいる方も多く、そちらの方が分かりやすい方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここではそんな住宅ローンを例に挙げて、変動型・固定型の比較を行いたいと思います。

従来は変動金利の方が人気だった

大きな買い物となる「住宅」。ローンを組んで購入される方も非常に多いです。そんな時に必ず選択しなければならないのが「金利」です。住宅ローンには変動金利・固定金利があり、従来は変動金利が人気でした。

 

変動金利が人気の理由は、時期によって金利が0.5%を下回る価格になり、低い金利でローンを組むことができることです。しかし、市場金利が上がった場合は連動して価格が上がるため、リスクが大きいことも特徴です。

だんだんと固定金利を選ぶ人が増えている

固定金利は、借入時に定められた適用金利が変化しないため、返済の計画を立てやすいのが特徴です。住宅ローンの返済は30年ほどかかることが一般的。長期間、金利変動に振り回されることがストレスに感じる方も少なくないです。固定金利は変動金利と異なり、借入時に返済金額が確定します。安定性が高く将来の支出を設計できるため、固定金利を選択する人が増えているのです。

 

このように安定性から固定価格のサービスを選択する人が増加している傾向にあるのです。

市場連動型買い取りの買い取り価格の予想

固定型のサービスより、価格の変動が大きい市場連動型サービスですが、今後の売電価格はどのようになっていくのでしょうか?

 

JEPXのウェブサイトでこれまでの約定価格を確認することができます。

約定価格・・・売買が成立した価格

引用:JEPX

 

上記の図は、2015年~2019年の東京エリアのデータとなり、数値としては下記になります。

  • 2015年:9.78円/kwh
  • 2016年:8.46円/kwh
  • 2017年:9.72円/kwh
  • 2018年:9.76円/kwh
  • 2019年:7.93円/kwh

 

この5年間の平均価格は、9.13円/kwhとなります。

 

次に2020年~2023年の東京エリアデータを参照すると下記になります。

引用:JEPX

 

数値としては、下記になります。

  • 2020年:11.21円/kwh
  • 2021年:13.46円/kwh
  • 2022年:20.41円/kwh
  • 2023年:9.73円/kwh ※2023年8月24日現在

現状の平均は13.70円/kwhです。

 

2020年以降はコロナ禍でお家時間を過ごす方が増え、電力の需要が高まっていました。

また、2022年は、世界情勢(ロシア・ウクライナ戦争等)により、電力がひっ迫したため高価格での取引となっています。しかし、2023年に入り需要と供給が安定してきたため、現時点では価格は落ち着いています。今後は取引価格の高騰も落ち着き、以前のような価格になるのではないかと思われます。

安心・安定を求めるなら固定価格買い取り型がおすすめ!

状況によっては、高価格での売電が可能な市場連動型ではありますが、いつ価格が暴落するかも分かりません。そのため、安定した売電を行いたい場合は固定買い取り型の企業をおすすめします。

 

お住まいの地域にどういった企業があるのか分からないという方は資源エネルギー庁が運営する「どうする?ソーラー」を活用してみてください。

サイトの活用方法はこちらの記事で詳しく説明しているので、あわせて参考にしていただければ幸いです。

スマートFITでは高価買い取り実施中!

最後に宣伝にはなりますが、当社スマートテックでも太陽光余剰電力の買い取りサービス「スマートFIT」を提供しています。(固定買い取り型)

全国の買い取り価格は下記になります。

2015年~2019年の東京エリア平均約定価格である9.13円/kwhに比べると、2.37円/kwhも高く買い取りを行っています。

 

更に、東京電力エリア限定にはなりますが、現在キャンペーンを行っており大幅アップの14.6円/kwhでの買い取りとなるため、非常にお得です。

定員に達し次第、受付は終了となりますので、売電先を検討している方はお得なこの機会に是非お申込みいただければと思います!

 

詳しい内容やお申込みについては、スマートFIT公式サイトをご確認ください。