ヴィーガンレザーってなに?

  • エネルギーと環境問題

ヴィーガンレザーってなに?

近年、ヴィーガンレザーを使用した様々な商品が店頭に並び、目にするようになりました。ヴィーガンレザーとは一体なんなのでしょうか。

 

レザーの種類

レザーには大きく分けて三種類あります。本革(天然皮革)と、ヴィーガンレザーといわれる部類の石油由来でできたもの、植物由来の天然レザーの三種類です。

本革は動物の皮からできているもので、天然皮革ともいいます。合成皮革は布地をベースに合成樹脂を塗り、表面層のみを天然の革に似せた人口素材です。人工皮革とは化学の力で天然皮革に構造を限りなく似せて作ったものです。植物由来のレザーは植物を主原料とした樹脂を使用した素材です。「ヴィーガンレザー」とは、動物の皮ではなく合成素材や植物などの非動物性の材料を使って作られている革のことです。動物の皮を一切使用していないため菜食主義者の方が増えている今、とても注目されています。

 

レザー×環境問題

本革製品のもととなる動物たちを育てるのに排出される温室効果ガスは、CO2換算で年7.1ギガトンに上ります。温室効果ガスの排出量が多いと、地球温暖化の原因の一つになるため、環境問題という視点で考えるとなかなか大きな問題となります。ヴィーガンレザーは動物の皮を一切使用していないため、動物に配慮した製造として良いイメージを持たれることが多いと思います。ですが、合成皮革や人口皮革は石油由来の原料を取り入れているものが多く、製造過程における二酸化炭素の排出や染色工程における工業排水の面などで環境負荷の高い素材が多いのも事実としてあります。

 

レザー×動物愛護

レザーを動物愛護の視点から考えたとき、動物の皮を使って革製品を作るのは可哀そうという声が多くあります。牛や豚など革製品として広く流通している動物に関して皮を取るためだけに動物を殺すことは禁止されています。そのため、人々がお肉を食べ、牛乳を飲む限り、皮が残り産業廃棄物となってしまいますが、皮をリサイクルすれば革に生まれ変わり新たな価値が生まれます。動物を余すことなく最後まで命をいただく、という考え方で見るとそれも一つのエコなのかもしれません。

 

植物由来のヴィーガンレザー

植物由来のヴィーガンレザーは動物だけではなく、環境にも配慮された「新時代のヴィーガンレザー」として今最も注目されています。

 

サボテンレザー

サボテンレザーはサボテンを原料に生まれた植物由来のレザーです。サボテンの繊維と植物由来のバイオポリウレタンを原料として使用することで、合成皮革命や人工皮革に比べて、石油由来の樹脂の含有率を減らしています。生産時に使用する水の量やCO2の排出量を抑えられるので、より環境に優しい選択肢として特に国内外で注目を集めています。

 

ピニャテックスレザー

ピニャテックスとはパイナップルの葉のことです。本来廃棄されるはずのものが加工されレザーとして生まれ変わり製品化されているため、環境にも優しく非常に丈夫なのが特徴です。

アップルレザー

アップルレザーとは、りんごの皮や芯などの搾りかすを再利用して作られた革です。アップルレザーのおよそ20%~30%がりんご成分です。質感や触り心地は本来の動物由来の皮革にそっくりです。なめらかな手触りで耐水性にも優れているので水に濡れても拭くだけで安心です。

 

まとめ

動物愛護や環境問題については、人それぞれ自分なりの正しい考え方があると思います。何を購入することが一番正しいのか、この疑問に対する答えの正解はありません。消費者の皆さんがどこを一番重要視したいのかで、レザー商品を選ぶべきだと思います。

ですが一つ言えるのは今持っているものやこれから購入する商品をできるだけ長く大事に使い続けることが私たちにできるサスティナブルな行動ということです。